乳牛の一生(ライフサイクル)
今回は乳牛(メス牛)の一生について書いてみようと思います。
日本における乳牛の平均寿命は5~7歳くらいです。
もちろん生物学的には10年以上生きるのですが、
人間の家畜としての「経済寿命」はこのくらいになります。
そして一生に生産する牛乳の量は、3万~4万㎏もあるのです。
1頭で1Lの牛乳パック3~4万本です!
毎日1本飲むとすると82年以上かかる( ゚Д゚)!!
人間が一生かかっても1頭分飲めるかどうかって感じ!!すごすぎ!!
ただ、これはホルスタイン種の場合。
ジャージー種は乳量が半分くらい位になるので、全部の値が半分になると思ってくださいね。
さて、本題の乳牛の一生です。
牛は哺乳動物ですから、人間のお母さんと同じで、子供を産んで初めてお乳が出るようになります。
この子牛のために出すミルクを、人間が分けてもらっているということですね。
生まれた子牛が大きくなる過程を図にして、下に解説します。
https://www.j-milk.jp/knowledge/food-safety/uwasa7.html より引用
- メス牛が生まれると、すぐに母牛のミルクを搾り、子牛に飲ませます。これを「初乳」といい、免疫抗体がたっぷり入っています。出産時の体重はホルスタイン種が約40㎏、ジャージー種は約25㎏です。
- 初乳や粉ミルクを与えつつ、2~3ヶ月で牧草やトウモロコシなどのエサに切り替えていきます。これを離乳といいます。
- 14ヶ月齢くらいで種付け(人工授精)を行います。もちろん牛にも生理があり、21日周期です。牛飼いはこのタイミングを見逃さないよう、注意を払います。この時点でホルスタイン種の体重は300㎏以上、ジャージー種は200㎏以上になります。
- 妊娠期間は280日で、人間とかなり似ています。生まれてから2年以上かかって、ついに出産し、お乳が出るようになります。体重はホルスタイン種が500㎏以上、ジャージー種が350㎏以上となります。
- 出産後、約2ヶ月で子宮の状態が元に戻り、再び種付けを行います。もちろん妊娠しながらも、お乳は出し続けます。
- 次の出産の2~3ヶ月前から乳搾りをお休みします。これを「乾乳」といいます。出産に向けての体力作りに、全力を注いでもらうためです。
- そして出産を迎え、またお乳を搾り始め、5に戻ります。このサイクルが約1年でぐるぐる回るのが理想と言われています。つまり、乳牛は1年中ずっとお乳を出しているわけではなく、実は1年のうちの10ヶ月なんですね。
- サイクルを3~4周まわったころには、病気になったり、ケガをしたり、乳量が落ちてくるなどの経済的理由から、お肉用に出荷されます。ホルスタイン種の体重は大きいもので800㎏にもなるので、足の故障も多いのです(;´・ω・)
その点、450㎏程度の小柄なジャージー種は、事故は少なく、長生きしやすいといえますね。
いかがだったでしょうか?
乳牛の一生をすこしイメージできましたでしょうか?
子牛ために出したはずのお乳を人間が利用し、死ぬときも人間が食べれるお肉になってくれる。
全て人間のエゴイズムですが、なんとありがたいことでしょうか。
せめて飼っている間は「いい気持ち」をさせてやりたいものです。
これもエゴかな(笑)
一滴でもミルクを無駄にしないよう、これからも牛を大切に飼い、チーズ作りに励んでいきます✋
ミルクの一滴は血の一滴!これについてはまた次回、詳しくお話しようかな。
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