丹波チーズ工房のブログ

江戸時代から続く農家の成長日記とチーズのある暮らし

チーズは塩のとりすぎになる??驚きの健康効果!!

チーズって塩分高いし・・・

 

といってチーズを敬遠しているそこのあなた!

ちょっとだけお話を聞いてやもらえませんでしょうか?

 

チーズには様々な栄養成分や健康効果があるんですが、

チーズは血圧上昇を抑える効果があるという研究も発表されています!

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

 

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チーズの塩分は高くない

まず結論から申し上げると、「チーズは塩分のとりすぎにはなりません」

 

こちらをご覧ください。*1

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普段から私たちが食べている食パンや即席みそ汁にも、かなりの食塩が使われていることがわかります。

一回で食べるチーズはせいぜい30g程度ですので、チーズが特別に塩分が高い食品とは言えないと考えられます。

 

 

チーズの種類による塩分

チーズの種類によっても、塩分の違いがあります。

 

ブルーチーズやパルメザンチーズなどはゴーダチーズの2倍ほどの食塩となりますが、

これも一度にたくさん食べられるものではないので、まず問題がないと言えるでしょう。

各種チーズの食塩相当量(g)*2
  種類 1食あたり(目安量) 100gあたり







パルメザン 0.2(大さじ1) 3.8
ゴーダ 0.4(20g) 2.0
ブルー 0.4(10g) 3.8
カマンベール 0.4(20g) 2.0
クリーム 0.1(20g) 0.7
カッテージ 0.2(20g) 1.0
プロセスチーズ 0.6(1切れ20g) 2.8

 

熟成が進んだチーズなどは、塩味が強く感じられる場合があるかもしれませんが、

熟成によるうま味の濃厚さが、塩味を引き立てているためであり、

過剰に塩分が強いわけではないので、ご安心ください。

 

チーズは食塩がないと作れない

チーズとはそもそも、

牛乳の固形成分を取り出して、

食塩を添加することで保存性を高めた発酵食品ですので、

食塩がなくてはならないのです。

 

写真は当工房の蔵熟成ゴーダチーズを塩水につけている様子です。

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24時間かけて塩水を浸透させ、熟成庫にて一年熟成させていくのですが、

もしこの工程を飛ばすと、チーズは悪い菌によってぐちゃぐちゃに腐ったり、

チーズの中でガスが発生して、パックリ割れてしまうと考えられます。

 

この塩水によって、味付けだけでなく、

悪い菌の殺菌や、ホエーの排除による品質向上につながる大切な工程です。

 

チーズは血圧上昇を抑える

塩分が高い…と警戒されがちなチーズですが、

ここまでお読みいただき、誤解は解いていただけましたでしょうか?

 

ここからは、チーズは血圧上昇を抑える効果があるというお話です。

 

これには、「ペプチド」がポイントとなります。

 

タンパク質は、たくさんのペプチドが集まったものです。

そしてペプチドは、2~10個のアミノ酸が集まったものです。

つまり タンパク質 > ペプチド > アミノ酸 ですね。

 

チーズの熟成が進むと、ミルクにある酵素や乳酸菌が作り出す酵素によって、

タンパク質が、ペプチドを経て、アミノ酸に分解されていきます。

その過程で血圧上昇を抑える作用のあるペプチド(降圧ペプチド)に変化するものが多数見つかっており、

代表的なものとして「ラクトトリペプチド」は、特定保健用食品に利用されたりもしています。

この降圧ペプチドが、腸管から分解吸収されると、

肺や動脈内皮に存在する、『血圧を上げる要因となる酵素*3』を阻害し、

血圧の上昇を抑える効果があります。*4

 

実際にラクトトリペプチドを利用した機能性食品も発売されています。

 

当工房の蔵熟成ゴーダは熟成期間も長く、

しっかり分解が進んだペプチドの宝庫なので、

血圧上昇抑制効果のあるペプチドも含まれていると考えられます。

早くおばあちゃんに食べさせないと!(笑)

 

最後に

チーズの塩分や健康効果について書いてきましたが、どうでしたか?

チーズの歴史を調べると、紀元前3000年までさかのぼれるといわれています。

つまり5000年前です、すごいですよね。

この5000年間、ずっと人類が作り、食べ続けてきたチーズという発酵食品が、 

私たちの体に悪い影響を及ぼすとは到底考えられませんよね。

 

さて、チーズを食べようと思ってくださったあなた!

ピザチーズや6Pチーズもいいんですが、

もし余裕があれば、そこから一歩踏み出して、

ナチュラルチーズを選んでいただけると大変ありがたく思います。

 

本来発酵食品であるカマンベールチーズやゴーダチーズ、ブルーチーズなどは

ナチュラルチーズといわれ、乳酸菌が生きた状態で発酵が進んでいます。

 

ピザチーズなどのプロセスチーズというのは、

ナチュラルチーズを原料に加熱殺菌して固めたチーズですので、

乳酸菌などは死んでしまっています。

 

ナチュラルチーズとして熟成していく中で、

健康に効果のあるペプチドを作ってくれた乳酸菌たちを食べれば、

身体が喜ぶこと間違いなしですよ!(^^♪

 

ナチュラルチーズの味や香り、舌の上で滑らかにとろける食感を、

ぜひ多くの方に体験していただければ嬉しいです。

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【丹波婦木農場】牧草の刈取り

 

*1:日本食品標準成分表2015より

*2:https://www.j-milk.jp/findnew/chapter3/0307.html より引用

*3:アンジオテンシンⅠ変換酵素

*4:https://www.asahicalpis-w.co.jp/company/press/2015/200703_02/ カルピス株式会社さんでも、研究結果として発表されています